特定非営利活動法人
NPO日本食育インストラクター協会


NPO日本食育インストラクター1級取得者インタビュー企画④:長島真理子さん

今回は埼玉県春日部で2019年に“食育するごはんやさん「空と糸」”を立ち上げられた長島さんにお話を伺いました。

Q. 食育活動を始めた決め手や出来事はありますか?
私自身が「食べるのが苦手な子」でした。と言うのも、小学校の給食などは時間内に完食を強いられ、小柄で少食な自分には辛い時間でした。また幼稚園の先生になってからも、園には「全部食べたらごほうびシール」のような習慣があり、違和感を覚えたくらいでした。しかし、子育て中に勤めた幼児教室が「食べること」を大切にするところでした。
にぼしの頭と腹を取りお出汁を引いたり、五感をフルに使い、体験した子供たちは、食べることに 意欲的で生き生きとしていました。その感覚を生かしながら食育についてきちんと学びたいと思い、食育インストラクターを受講しました。まずは通信教育でプライマリーを取得。最終的には1級まで辿り着くことができました。それからは、お世話になった幼児教室に再び戻り本格的に食育に向かい合うようになりました。

Q. あなたの食育活動の特徴は何だと思いますか?
体験すること、体験したことを伝えることです。3歳児からの子供料理教室を開催したこともありますし、現在はその延長で「空と糸」を運営しています。そこでは、一汁三菜、地産地消を心掛け、情報発信しています。お客さんでもマナーが悪ければ容赦なく注意するなど、お節介なうるさいおばちゃんがいる店があってもいいと覚悟してやっています(笑)。
また生産者さんともつながり、お米や野菜、たまごは直接購入、そして、年4回の田んぼ体験をする企画、農家の土間を借りて食育映画の自主上映や畑で収穫体験、味噌作りなどで、一緒に食べると楽しいね、を伝えたいと思っています。食育は特別なことではなく、日常の中にある…ということが伝わるよう心掛けています。



Q. 「空と糸」を運営する上でコロナ禍の影響はどうでしょう?
もともとはおむすびが目玉のお店ですが、テイクアウトのこともあり、弁当スタイルにしてみました。意外とおむすびで提供しなくとも、おかずの品目が増え、詰め方も自由になり、お客様には喜ばれています。しかし、おむすびファンも多いので、たまにおむすびの日を設け、その日はおむすびとお味噌汁をメインにやっています。

Q. 聴講者または仲間との忘れられないエピソードはありますか?
食育インストラクターの仲間とワークショップを開き、薬膳やコーヒーかすでのサシェ作り、地域の子供たちとの玉ねぎ染めや手打ちうどんをしたこと。また、短大で保育士の卵さんたちに1日講習をした際には、いろいろな経験談を交えて話を進めたところ、とても真剣に参加してもらえたことが嬉しかったです。小学校での講座では、参加の保護者から「人数集めで誘われたけど今日は参加して本当に良かった」などと言われると、心の中でガッツポーズしたくなりました(笑)。食育つながりで多くの楽しい記憶を作れています。



Q. これから挑戦してみたいことなどありましたらお願いします。
以前からいつか学びたいと思っていたことがあり、野菜と発酵食品について、新しい知識を得たり、知っていることをさらに深めたりできたらと思っています。発酵文化推進機構の全12講座を修了し発酵食品ソムリエの資格を取得できたところです。好きなことを学ぶのは最高に楽しく、充実していると感じています。また、「学ぶ」は「真似ぶ」と近所の商店の方から教わりました。まさしく、食育は「真似る」つまり「体験」することが実践に繋がると思うので、体験の場をたくさん提供できるようにしていきたいです。

食育として、体験すること・体験したことを伝える、を中心に活動を展開されていると強く感じました。楽しいお話をありがとうございます。今後のご活躍を期待し、応援しています。

●長島さんの現在の活動拠点
https://soraito.jp/

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